ご挨拶

                                                             蕗の会 理事長 岩澤六夫

「ぽぷら八王子」の開設

 私ども蕗の会は、地域社会の中で暮らす障害のある人たちの要望に応え、生活介護や日中一時支援、ショートステイ、そして放課後等デイサービスなど主に自分らしく、そして楽しく過ごせる居場所づくりに努めてきました。

 その一方で、就労継続支援B型での工賃アップ(平均月30,000円)をめざす中、次第に増えていく「働いて自立できる賃金を」という要望に応えるため就労の場作りにも力を入れることにしました。

 H26年度八王子市の戸吹不燃センター様から手選別作業を受託させていただき、H27年4月より「最低賃金以上の賃金で雇用契約」したメンバーを入れ、正式に稼働することができました。                                           

「とぶきふねん」の立上げが一段落した5月に新しい話が飛び込んできました。大企業の()エフピコ様が戸吹町の配送センターに新設する食品容器製造工場を請負う法人を探しているというのです。早速、八王子ワークセンターの見学会に参加し、茨城工場を見させてもらいました。

クリーンルームの中で、テキパキと検品、結束、封入、ラベル梱包等の作業を手際よく続けているメンバーの働く姿に圧倒されました。そして、帰りの車の中で、私は最初に手を挙げました。理事会の承認をもらって、()エフピコ様に、「是非やらせて下さい」と申し出ました。それから数ヶ月、()エフピコ様への財務資料の提出や視察、面接などがあり、8月には内定をいただきました。新宿の東京本社で会長様に、面接させていただいた時、新宿オークタワーの36階から久々に大都市東京のビル群を眺めながら平成2年総勢10名足らずで無認可通所施設を始めてから25年、小規模の社会福祉法人を作ってから15年、やっと有数の大企業から工場ごと仕事をいただけるまでになったのだなぁといっとき感慨にひたりました。

事業所開設までの数ヶ月はまさに戦いでした。

スタッフの募集、面接、採用、メンバーの募集、面談、実習、八王子市への指定申請書類の作成等々2人しかいない本部だけでは無理なので書類つくりなど殆どひのき工房に手伝ってもらいました。

何はともあれ、製造については、半年足らずで目標に近い生産体制が出来ました。殆どのメンバーが毎日元気に働いています。課題も沢山ありますが「安心して意欲を持って働き続けられる職場」を創るためスタッフ・メンバー全員で頑張っています。

 ウッド製品(弁当箱)を作る製造装置すべてを揃えた、きれいな工場とお仕事をいただいている(株)エフピコ様にそこで働くメンバーと共に蕗の会を代表して感謝を申し上げます。